Last modified: Thu Jun 8 00:17:57 JST 2017

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「認定介護福祉士」になるために

目次

ポイント

いつになったら始まるのかと思っていた、介護の最上位資格である認定介護福祉士ですが、2016年12月に長野県で研修が始まったと報道されました。

それによりますと

とあります。これだけでも「こんなもの誰が受講するのか」という感じを受けますが、知恵ノートを書こうと思って調べたところ、はっきりしていない部分があまりにも多く驚きました。

のですが、現時点では、このような性格も持っているようです。

受講要件

認定介護福祉士養成研修の受講要件より抜粋します。

認定介護福祉士養成研修Ⅰ類

認定介護福祉士養成研修Ⅱ類

認定

上記のⅠ類とⅡ類を修了し、認定介護福祉士認証・認定機構に審査料を払って認定申請を行い、認定委員会での審議を経て承認されれば認定介護福祉士となります。

ファーストステップ研修

認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の受講要件である、「現任研修受講による内省や学習習慣の獲得」「評価が客観的に認められること(修了証等)」とは何ぞや、という事ですが、これがどうやら現時点では「介護福祉士ファーストステップ研修」を修了する事、となっているようです。

ファーストステップ研修は、都道府県ごとに詳細が異なるようでそれだけでも資格の体をなしているとは認めがたいですが、代表例として、検索して見つかった東京都の例に示します。

介護福祉士ファーストステップ研修とは 更新日:2016/12/19 【受講資格】
介護福祉士資格取得後2年程度の実務経験者の方が対象

【カリキュラム内容】 総時間数:200時間

公益社団法人 東京都介護福祉士会
介護福祉士ファーストステップ研修
受講費用:120,000円
※日本福祉士会会員の場合、80,000円
受講期間:全15回

更新

認定介護福祉士認定規則より抜粋

第12条 認定介護福祉士は、認定審査の合格日の翌年度の4月1日から5年ごとに更新するものとする。 (更新申請の要件) 第13条 更新のため認定介護福祉士の認定を申請する者(以下、「更新申請者」という。)は、次の各号に掲げる事項をすべて満たさなければならない。
  1. 社会福祉士及び介護福祉士法に定める介護福祉士資格を有すること
  2. 認定介護福祉士であること
  3. 認定後一定の実務経験等があること
  4. 機構の定める認定介護福祉士更新研修を修了していること
  5. 認定後に現任研修又は介護福祉士に関する研修における講師等、若しくは介護福祉士に関する学会等での発表等の実施歴が一定以上あること

認定および登録のための費用

認定介護福祉士認定規則施行細則より抜粋

第3章 費用の負担
第17条第3条及び第5条の申請者は、認定審査のための費用を負担しなければならない。
2 審査のための費用は、次の各号に掲げる額とする

  1. 第3条の申請 2万円
  2. 第5条の申請 2万円第

18条 第8条の認定証の交付を受ける者は、認定介護福祉士登録のための費用を負担しなければならない。
2 登録のための費用は、次の各号に掲げる額とする
  1. 認定時の登録 1万円
  2. 更新時の登録 1万円

関連情報のリンク第

感想

認定介護福祉士とは、よくこんな事を考え付くなと感心するキツい冗談ですね。どこかの会社で「A君、この仕事をパソコンで処理したまえ。なおパソコン一式は自腹で買え」とか「A君、商談のために大阪に出張して欲しい。交通費や宿泊費は君が給料から出すように。あ、出張中は職場で働かないのだから欠勤扱いにする」なんてセリフは、いくら非人道的な会社でも聞かれないと思いますが、これが介護分野では当たり前なんですね。もう社畜以下の「奴隷」以外の何物でもありません。これで介護福祉士が、認定介護福祉士を目指そうと意欲を持てますか? 厚労省から、介護福祉士の上位資格をと要求されていたのに、日本福祉士会会員の場合だけ値引きとか、利害関係のある自会員だけ優遇するって、公平性もへったくれも無いようです。

資格という物は時間と費用の投資なので、ペイするかどうかが問われるでしょう。その観点が皆無です。

突っ込みどころが多すぎて突っ込み切れませんが、とにかく、低い給与で懸命に働いている現場の介護職員は、実務者研修を受ける費用・時間も捻出できなかった人が大勢に上ったというのが決定打になって平成28年度、第29回目の介護福祉士の国家試験は受験者数が半減したのに、あまりにも異次元過ぎます。


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